人は褒めて伸ばすべきか叱って伸ばすべきかの飴と鞭の選択。「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」。

尾島です。


ウェブ関連のビジネスに特化しているとは言え、

私のような「コンサルティング」という立場の人間は、

やはり“クライアントを育てる立場”にあると考えています。


そしてそのクライアントも必然的に、

人を育てる立場にある経営者である事がほとんどですから、

より厳密に言うと私のような立場の人間は


“人を育てられる経営者を育てなければならない”


と思い、日々自身のクライアントさんと向き合って仕事をしています。


そうでなければ高いコンサルフィーを貰う資格は無いと思うからです。


勿論、それ以前の究極的な目的は


“クライアントの事業からより多くの利益を生み出していく事”


ですし、その為の戦略や戦術、

マーケティング等のアドバイスをしていくのも私の仕事です。


ただ結局のところ事業を進めていくのはやはり「人」ですから、

その経営者やそこで働く方々のスキルの向上等は必要不可欠でしょう。


向上心の無い人間との仕事はつまらないですし、

そういう人達が集まっている会社はまず大きくなりません。


そこで多くの経営者の方にアドバイスを求められたり、

その話が1つの議論に発展していくケースも多いものが、


「人は褒めて伸ばすべきか叱って伸ばすべきか」


という議題です。

飴と鞭の選択。人は褒めて伸ばすべきか叱って伸ばすべきか。


人材の育成においてこの判断を悩まれる経営者は非常に多いです。


「すぐ感情的になってしまい叱ってしまう。これは改めるべきでしょうか。」


という相談を受ける事もあれば、


「私はなかなか部下を叱れないのですが、やはり叱る事も重要でしょうか。」


という相談を受ける事もあります。


やはり人の性格は人それぞれですから、

感情的になりやすい人もいればそうでは無い人もいます。


では仮にそういった事を計算してやっていくとすれば、

一体どちらの方が人を伸ばしていく事が出来るのでしょうか。


いわゆる「飴と鞭」の使い分けをどうするべきかという話ですね。


まずそこにはその考え方として2つの観点があります。


1つは統計に基づく「心理学的な観点」。


もう1つはそれを差し置いた「現実的な観点」です。


まずその「心理学的観点」では、

人は褒められたり期待されたりすると、

その奨励や期待に応えるように成果を上げていくという説があり、

実際にその効果も幾つかの心理学実験などで立証されていたりします。


“君たちは優れた能力を持った選べれた人達です”


というような前提に立って教育やテストを行っていくと、

その成果がメキメキと上がっていくというわけです。


こういった心理効果を心理学用語では「ピグマリオン効果」と呼んでいます。


また逆に期待をされずダメな人間というレッテルを貼られると

人は能力を発揮できず物事の成果を下げていくという説もあり、

これも同様に幾つかの心理学実験と成果の方も立証されています。


“君たちは他の人達より劣っているダメ人間の集まりです”


というような前提で教育やテストを行っていくと、

明らかにその成果も下がっていくというわけです。


この「ピグマリオン効果」と逆の効果を「ゴーレム効果」と呼んでいます。


「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」。これのみを考慮するべきか。


こういった「ピグマリオン効果」や「ゴーレム効果」を考慮すると、

人を叱って伸ばすのはもっての他であり、

とにかく褒めて伸ばすべきという結論に至ります。


もう少しドライな言い方をすると


“期待していないよりは期待しているフリをした方がいい”


という事です。


ただこれらの心理学効果は実際の仕事現場などにおける

人を褒めるか叱るかという観点とは少しズレている部分もあります。


それは“人が失敗した時”や“成果を上げた時”に、

上司としてどのような対応を取るかという点は、

この心理学効果における「期待」とはまたの話になってくるからです。


これが「心理学的観点」に対しての「現実的観点」なわけですが

実はそのような時の対応にこそ、

この心理学効果を十分に応用していく事が出来ます。


要するにその人材への「期待」があった事を前提とする

物事への叱り方、褒め方というものを意識するべきという事です。


そしてこれは何もそこまで難しい事ではありません。


例えば失敗に対しての苦言を呈すなら、

“物凄く期待していた人間が思いがけない失敗をした時”

をイメージして言葉を選んでいけばいいわけです。


“君のような優秀な人間が何故そんな失敗をしたのか。”

“私の期待を裏切った形になってしまったが

 君ならこの失敗を糧に次はより高い成果を上げられるはず”



まあ、ちょっとわざとらしいですが簡単に言うと

こういった言い回しが、


「期待されていたのに裏切ってしまった」


という心理状況を作り出し、

「反省」と「後悔」と共に「自分への期待」を再度認識させられます。


また逆に良い成果を上げた時はこういう言い方が有効になります。


“素晴らしい成果だが、君ならもっと高い成果を出せると思っていた”

“君からすればわりと普通の成果だったんじゃないか?”



と、褒めるという部分に関しては、


「君の能力はまだまだそんなものじゃないはず」


というような言い方が有効になります。


これが経営者として飛び上がりたくなるほどの成果であっても

あえてそこはグッと我慢して

その人材への期待はまだまだその上にあったと思わせるわけです。


まあ、これらの事例はあくまでも解り易さを重視しましたので

本当であればもう少し巧妙な言い回しが必要になりますが

経営者としての姿勢としては大方間違ってはいません。


大きな失敗や成果を上げたような重要な局面こそ

部下への「期待」をにじませるチャンスという事。


そしてその「期待」こそが人材を伸ばすという事ですね。


ただここで注意を払なわなければならないのは、

世の中には必ず「例外的な人」もいるという事です。


世の中に存在する例外的な人。


「ピグマリオン効果」や「ゴーレム効果」は

心理学実験に基づいて成果も確認されている心理効果です。


ただこれはどんな心理学実験にも言える事ですが、

その成果や効果は必ずしも100人中100人、

100%の確率で立証されているというものではありません。


あくまでも統計学的に“人にはそういう傾向がある”と結論付け、

それを1つの定説にしているに過ぎないわけです。


私達のようなマーケティング等に携わる人間は

その統計値こそが最も信頼できる科学的根拠であるとして、

そういった心理効果をマーケティングに取り入れていきます。


今回の講義は人材育成という部分を題材にしていますが

こういった部分でもそれは同じ事が言えるわけです。


ただ不特定多数をターゲットにしていくような

ネットビジネス上のマーケティングとは異なり、

直に「人」と関わっていく人材育成などの場においては、

その統計の外側にいる「例外的な人」とも関わっていく必要があります。


むしろそういった「例外的な人」の方がその扱い方次第では、

極めて高い能力を発揮していく事もあったります。


そんな統計的な攻略が出来ない分、扱いには苦労しますが

私が直に仕事をしているビジネスパートナーの方々の多くも、

まさにそういった「曲者」達です。(笑)


そのような例外的な人達の中には、


“褒めたり期待をかければその分だけ調子に乗ってダメになる”


というような「お調子者気質」な人もいれば


“然れば叱っただけ努力する”


という「M気質(笑)」な人もいます。


ただこういった人達はもう直に付き合いなら、

その人間性を判断していくしかありません。


大事な事は全てが統計的な心理学の定説にはあてはめられないという事。


「ピグマリオン効果」や「ゴーレム効果」などの心理効果は

そういった点を理解した上で活用していくべきという事ですね。


人を育てていく立場にあるような方は是非活用していってください。


それではまた次回。


追加講義:独裁国家的な会社、組織を作る方法


今回のお話しは言わば一般的な会社で、

ごく一般的な会社の人材を育成していく上での正攻法的なものになります。


そんな正攻法に対してはやはり邪道的と言える方法も講義してみました。


よろしければご覧ください。


独裁国家的な会社、組織を作る方法


コンテンツ一覧


ビジネス講座一覧へ

タグ

2013年12月3日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:ビジネス講座

 

 

 

 

 

このページの先頭へ