マネーの虎、高級ハンドメイド家具店の開業。考察

尾島です。

マネーの虎に学ぶビジネス学講座。

今日はこちらの「高級ハンドメイド家具店開業編」を考察してみます。



マネーの虎、高級ハンドメイド家具店の開業。考察


プレゼンターは26歳、自営業の家具職人さんで、

やりたい事業は「高級ハンドメイド家具店の開業」。


希望した金額は500万円でした。


志願者は既に個人でハンドメイド家具の販売を行っているようで、

父親の代から続く「店舗」兼「工場」で販売を行っているものの、

その店舗を「カフェ」のようなスタイルにして、

自分のハンドメイド家具をそこに並べ、


カフェスタイルのハンドメイド家具の販売店をやりたい


というのが志願者のビジネスプランでした。


希望額500万円はその「カフェスタイルのお店」を開業する為の、

言わば、内装費、工事費などであると推察出来ます。


ちなみにこの、当時26才の家具職人さん。


マネーの虎で実際に500万円を手にしてお店を改装し、

カントリーウッドガーデンという会社を設立して、

今はインターネット通販を中心に家具の販売を行っているようです。


業績の程は分かりませんが、情報を調べる限りでは、

このマネーの虎の放送からあの手この手で、

色々と事業を展開していた事が伺えますので、

実は、それなりにやり手の人物だったのかもしません。


マネーの虎の放送映像では、緊張のあまり、

プレゼンを途中で止めてしまったり、

あまり口が上手くないところが垣間見えていたので、


「ちょっと人のよさそうな憎めない経営者」


という感じの好青年だったのですが、

マネーの虎以降の彼のビジネス展開の傾向は、

その印象とはいい意味でギャップがあります。


それこそ、当時はまだそこまで主流ではなかったネットショップを

マネーの虎の放送で知名度があるうちにすぐに始めている点や


・ミニチュア家具

・ドールハウス



といった新手の商品を手掛け、

これもネット通販から、かなり売れた様子が伺えます。


要するにマネーの虎に出演した経営者の中では、

かなり少数派な「今も経営を続けている経営者」の一人なわけです。


そんな当時26才の家具職人さんですが、

そのプレゼンテーションの一部始終はかなりの面白展開でした。


最終的には3人の「虎」が全額500万円の投資で名乗りを上げ、

志願者がその3人の虎の一人を選ぶという展開となったのです。


その3人の虎というのが、


・当時の生活創庫、堀之内九一郎社長

・株式会社モノリス、岩井良明社長

・当時の株式会社ラヴ、貞廣一鑑社長



この3名。


ただ、それぞれの社長の投資のスタンス、動機は、

岩井良明社長と貞廣一鑑社長はほぼ近いものでしたが、

堀之内九一郎社長は大きく異なるものでした。


岩井良明社長と貞廣一鑑社長の両名は、

ほぼ経営等は全て志願者の自由にするという条件で、

基本的には「お金だけを出す」という投資スタンス。


投資の動機は、単純に志願者の人柄に惹かれ、

実際の商品などを目にした上で、

家具職人としての腕も間違いなさそうと判断したのでしょう。


この2人の投資の動機はいつもこのような感じなので、

まあ、いつもの判断基準だったような気がします。


ただ、貞廣一鑑社長は、この家具職人の家具を


「その家具から人柄が出ている。」

「その家具そのものが菊名(志願者)さんに見える」



と、職人さん冥利に尽きる言葉を与えていました。


対して生活創庫、堀之内九一郎社長は、

逆にその家具職人さんの作った家具を


「そんなものは幾らでも作れる。」

「同じような家具はどこにでもある。」



と一蹴(笑)


ただ、家具の原価率(材料費)を聞いた上で、


「これは商売になる。」


と判断したようで、自分が手掛ける全国の店舗で、

その家具を売っていく事を前提として、


「経営方針全般に口を出していいなら、投資する」


という条件を付けていました。


要するに生活創庫、堀之内九一郎社長は、

原価を安く作れるその家具を自分の店で販売し、

その販売益を得る事を目的に「投資をする」と言ったわけです。


まあ、この時点ではそれ以上の細かい条件は出ていませんでしたが

生活創庫、堀之内九一郎社長は、


「結局、いかに安く作ってたくさん売るかが全てだ。」


という事も言っていたので、

堀之内九一郎社長にお金を出してもらった場合は、


“とにかく安く、それなりの家具を大量生産しろ”


と、家具の大量生産を強いられる可能性がありました。


勿論、それで家具はたくさん仕入れてもらえるかもしれませんし、

全国のお店で自分が作った家具がどんどん売れるかもしれません。


ですが自分が作りたい家具や拘りの家具は作れなくなる可能性が高く、


「ひたすら堀之内社長に言われるがままの家具を作り、

 それを大量に生産して卸していくだけの専属家具業者」



にされる可能性は非常に高い事が目に見えていたのです。


むしろ、そのような状況が目に見えた為、

株式会社モノリス、岩井良明社長はその家具職人さんを気付かって、

暗にそのようになってしまう事を指摘した上で、


「それなら自分は、お金だけ出すから経営は好きにやりな。」


と、新たな投資提案を促したような流れでした。


対して、貞廣一鑑社長は


「出来れば堀之内社長と一緒に投資をしたい」


という事を主張していた事から、

堀之内九一郎社長の「販路」については、

この志願者にとってはプラスになると考えた事が伺えます。

(ただ、この提案は堀之内社長がキッパリ却下しています。)


こうした条件が出揃い、この放送回では、

志願者が3人の社長のうち、一人を選ぶという

非常に珍しい展開になったわけです。


堀之内社長か、岩井社長か、貞廣社長か。運命の選択


ただ、この時、この志願者には父親が残した

総額1億円という借金があったそうで、

それを肩代わりして支払いたいという事情もありました。


その現状を踏まえて、3名の社長の提案のうち、

1つを選ばなければならない状況に至った訳です。


さて、あなたならどうしますか?


1億の借金を抱える「職人」である自分。


自分の好きなように経営をしてもいいという投資家と、

経営は自由にさせないが、商品は幾らでも売ってやるという投資家。


また、一方は自分の作る商品をきちんと評価してくれていて、

もう片方はむしろ酷評で原価率という数字だけを見ている状況。


これは人生における選択としても、職人としの選択としても、

ビジネスとしての選択としても難しい選択だったと思います。


志願者の結論は・・・商品を評価してくれた貞廣社長でした。


そして、実際に彼はカフェスタイルの家具店をオープンさせ、

今現在については先ほど簡単に解説した通り、

順風満帆な経営を続ける事が出来ている状況にあります。


結果論を言えば、彼は貞廣社長を選んでよかったのかもしれません。


ただ、私は「自分が何に重きを置くのか」によっては、

堀之内九一郎社長を選んでも良かったのではないかと思います。


とにかく借金を1日でも早く完済してしまい、

1円でも多くのお金を稼ぐというのであれば、

堀之内九一郎社長という選択肢もアリだったと思うわけです。


まあ、堀之内社長はその後、経営難に陥り、

店舗の大半が閉店となっていますので、

そこも含めた結果論を言うと、


「堀之内九一郎社長を選ばなくて良かった」


という結論に至りますが、

その結果論を抜きに考えるのであれば、


「確実な仕入れと販路を提供してくれる」


という話は、モノを作り、売りたい人間にとっては

決して悪い話ではありません。


勿論、堀之内社長を選ぶ場合は、


・幾らで家具を仕入れてくれるのか

・どれくらいの数をどういう条件で仕入れてくれるのか



などなど、色々と条件を煮詰める必要はあると思いますが


「カフェスタイルのハンドメイド家具店をやろう」


と思った動機が、ただ単純に、


「そうすれば家具がたくさん売れて儲かりそうだから」


というものだったのであれば、

とくにその形に拘る必要はありませんし

むしろ、堀之内社長の販路が確実なものになるなら、

その「リスク」を取る必要さえなくなります。


堀之内社長のところに、ただ家具を卸していけば儲かるんですから。


ただ、自分がそのカフェスタイルの家具を


「やる事」


自体に大きな意味があったなら、

堀之内社長の投資提案は確かに論外だったと思います。


それこそ、そういうお店をやって、

実際に自分の家具に触れて本当に欲しいと思った人にだけ、

そこで家具を買ってもらうような商売をしたい。


そこで拘りの家具を思う存分作りたい。


そういう思いが強いのであれば、

やはり経営は自由にやらせてくれるという、

岩井社長、貞廣社長が最善の選択になると思います。


ただ、この時の志願者が、


「どっちだったのか」


は、正直わかりませんし、映像を見る限りでも、

家具に拘りはあるようですが、借金という現実もあり、


「とにかく家具を売って儲けたい」


という思いも強くあったように思えます。


その中で、どちらかというと「感情」で、

堀之内社長ではなく貞廣社長を選んだ・・・


私は何となくそういうように見えました。


ただ、これは「経営者の選択」としては、

あまり良い選択の仕方ではなかったと思います。


そういう場面では「感情」を殺して、

自分の「理想」を取るべきだと思うからです。


感情を殺して「利」を取る必要はありませんが、

「理想」を追求できるなら「感情」など殺すべきです。


ただ、この時の志願者はあまりそこを考えず、

やや「感情」だけで選択をしたように思えたという話です。


とは言え、ビジネスも人生も結果が全てですからね。


堀之内社長の「その後」を現実として見るなら、

この志願者の選択は正解だったというのが結果論です。


「自分だったら、どうするか」


そう自問自答しながら見ると、

この「高級ハンドメイド家具店開業編」のマネーの虎は

非常に楽しめる放送回だと思います。


以上、


「マネーの虎に学ぶビジネス学講座、

 高級ハンドメイド家具店開業編」



の考察でした。


他の放送回における考察も行っていますので、興味があればどうぞ。

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2016年3月14日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリー:マネーの虎ビジネス学

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