投資か融資か。事業への資金提供における、その最善の選択肢とは。

尾島です。


私は仕事柄、人伝えで多くの経営者に会う事が多く、

また、その「予備軍」的な立場にあるような人や

そういう人の「とりまき」的な人に会う事も非常に多いです。


ここ最近はわりと決まった人としか仕事をしていないのですが、

以前は、かなりそういった人付き合いも多い傾向にありました。


そして、私と知り合う段階で私がどういう仕事をしているかや、

私の「経済力」などを相手側が認識している場合、

10人に一人くらいは私に「事業話」を持ちかけてきます。


「インターネットに強いマーケッターと組めば、

 それだけでビジネスを成功させられる可能性が高い。」



今の時代、このように考える人はやはり多いわけです。


まあ、それは事実「そう」なので、

ある意味では着眼点も良く、

私のような人間にその話を持ってくるという時点で、

行動力もあるような人達なんだと思います。


特定の商品を流通させる為の相談から、

完全にゼロの状態から事業を起ち上げる話まで、

そこで提案される事業話の内容はまちまちなのですが

最終的に私がその事業話において聞き返すのは、


『それで、あなたは私にマーケティング等で力を貸して欲しいのか、

 それとも「お金の力」を貸して欲しいのか、どっちなんですか?』


という事です。


単純に私にマーケティング面での力を貸して欲しいというなら、

それは私が本業でやっているコンサルティング業務の一環ですので、

正規のコンサルティング契約等を締結して頂ければ、

その契約内容に沿って私は普通に力を貸します。


大抵、私の場合は「出来高制」でコンサル契約を結びますので、

私のマーケティング協力で売上が伸びた分だけ、

そこから一定のコンサルフィーを頂くというのが、

私が主に締結しているコンサルティング契約の形式です。


要するにこれは私からすれば普通に「仕事の依頼」と変わりません。


ただ、もしそれが「資金面で協力して欲しい」という話なのであれば、

これはまさに以前にテレビでやっていた「マネーの虎」に近い、


「私の事業計画にお金を出してくれ」


という提案になるわけですから、

私としてもその話を聞く視点が全く違ってきます。


そしてそのような事業そのものへの資金提供については、


「その資金を融資して欲しい」


という事なのか、


「投資(出資)して欲しい」


という事なのかでも、全く話は違ってくるわけです。

「投資」と「融資」の違い。


融資は言わば「お金を貸す」という事ですので、

当然、借りたお金には返済の義務が生じます。


銀行などがやっているのがこの「融資」であり、

そこに生じるのはあくまでもお金を借りた方と貸した側の関係のみで、

強いて、お金を持っている人が他人に融資するメリットは、


「利息を頂く」


という形で、多少その返済金に色が付く程度のものしかありません。


一応、この利息には法律的に上限が定められていますので

どんなに多くの利息を受け取りたくても、

100万円以上の資金の貸付については、


年15%


以上の利息を取る事は出来ない法律になっています。


つまり、100万円を貸し付けて年間15万円、

1000万円で年間150万円というのが、

融資という形でその事情に資金提供をした際の

資金提供者側が得られる純粋な「利益」なわけです。


言わば、それ以上のリターンは望めないわけですね。


逆に融資をする際のリスク(デメリット)としては、

結局のところ、相手に返済能力が無ければ、

貸し付けたお金はただの不良債権になってしまうだけであり、

貸し倒れのリスクというものは避けられないと思います。


勿論、そのリスクをほぼ無くす為に、

不動産や車などの担保を取ったり

予め借用書と併せて公正証書を作っておいて、

今後のその人の所得を差し押さえられるようにしておくなど、

こうしたリスクヘッジの方法が無いわけではありません。


ですが、本当にその貸付金に見合う担保があるような人であれば、

それこそ銀行などでもお金を借りられるはずですので、

私のようないち事業者に融資の申し出をしてくる時点で、

そのような担保などは何も持っていない人が大半です。


そういう担保を押さえられない人への融資は、

リターンがそこまで大きくないわりに、

リスクだけが非常に高いものになってしまうという事です。


また融資によって資金提供を受ける側からすると、

その事業における資金提供者とは、

とくに「資本関係」は何も生まれませんので、

逆に利息も含めてその融資されたお金の返済さえ行えれば、

それ以上の利益還元などは一切しなくても良いという事になります。


お金を借りる以上、返済の義務はありますので、

それなりのリスクを背負う事にはなりますが、

本気でその事業が「上手くいく」と思っているのであれば、

長い目で見れば、確実に「融資」の方が得を出来るはずです。


その事業でどんなに莫大な儲けを出しても、

その利息以上の利益還元をしなくていいのですから。


対して「投資(出資)」は、

資金提供を受ける側としては「返済の義務」は生じませんが、

その出資条件によっては実質的にその事業の支配権を、

その資金提供者に完全に握られてしまうケースや、

その資本関係が続く限り、利益還元が原則になるという事もありえます。


例えば、その事業を始める際に法人を1つ立ち上げ、

その法人の持ち株を全て資金提供者のものにすると、

仮にその資金提供を受ける人がその会社の社長に座っても

その会社はあくまでもその資金提供者のものという事になります。


あくまでもその社長は「雇われ社長」として、

その会社から「役員」としての給料をもらうしかないわけです。


まあ、これはかなり極端な投資事例ですが、

いずれにしても「融資」ではなく「投資」という形を取る場合は、

その投資の形や条件次第で、利益の大半を、

その資金提供者に握られてしまう可能性があるという事です。


ただ、そのお金には返済の義務は一切生じない為、

投資という形で資金提供を受けたのであれば、

その資金を返済するようなリスクは何も生じません。


リスクを背負うのは全て、資金を投資する側という事になります。


故に、資金を投資する側は、

それなりの見返りを請求してくる事になるという事です。


少なくとも融資の場合と異なり、

半永久的にその事業から上がる利益の一部を

継続的に還元しなければならない契約は必須になると思います。


少なくとも、私が資金を何かの事業に「投資」する際は、

それくらいの条件を付けるようにしています。


「投資」か「融資」か。最善の資金提供の形とは。


融資は資金提供者への見返りを「利息」のみに押さえられる変わりに、

資金提供を受けた側には「返済の義務」がリスクとしか生じます。


資金を提供した側には利息以上のリターンはなく、

一応は資金提供をした側に対して「返済の義務」を課す事は出来ますが、

それがただの不良債権になってしまうリスクも、やはり拭えません。


対して投資は、その投資条件によっては、

資金を提供した側は大きなリターンを得られる可能性がありますが、

その事業がうまくいかなった場合は資金の返済は求められません。


資金提供を受けた側もその事業がうまくいった際、

継続的に資金提供者に利益還元をする必要性が生じるものの、

その事業が不発に終わった場合については、

その返済義務などは一切生じないというメリットがあります。


融資と投資、どちらに形を取っても、

その見方によっては双方にメリット、デメリットがあるわけです。


ただ、私がこのような資金提供の提案を受けた際、

この融資と投資で、主に採用する形は、

出来る限りその「両方」の形を取るようにしています。


例えば2000万円の資金提供を希望された場合、

500万円を「融資」という形にして、

ある程度の返済義務をその人に課すようにして、

残りの1500万円を投資という形にするわけです。


基本的に「資金を提供する」という時点で、

私はその事業に「可能性」を感じているわけですから、

それが「うまくいく前提」で資金提供をする事に違いはありません。


ですが、どんなに完璧に思える事業であっても失敗はつきものです。


そして、その失敗要因は、ほぼ「それをやる人」にあり、

結局はその事業を進める人次第で、その成否が分かれてしまうわけです。


ですので、私はその事業を持ちかけてきた人、本人にも

しっかりと「リスク」を背負わせるようにしています。


その為にその提供資金の一部を「融資」にするわけです。


全額を「投資」という形にしてしまうと、

その事業において追い込まれた場合などに、


「どうせ自分はリスクを追って無いからいいや」


と考えてしまう可能性が多いにあります。


どんな誠実な人間でも、人間なんてそんなものですから、

自分の身銭を切ってリスクを背負っていなければ、

やはり佳境に追い込まれた際に甘さが出てしまい、


「本来は乗り越えられる佳境も乗り越えられない」


という状況を招く可能性が少なからずあると思うんです。


だからこそ、私はその人が「背負わされて困るくらいの金額」や

その人が「何とか返済が出来てしまうギリギリの金額」は、

その資金提供の際に「融資」という形で提供し、

その残りの金額を「投資」という形で提供するようにしています。


つまり、この「融資」はその事業がうまくいかなかった際、

その一部でも返済してもらう為のリスクヘッジが目的ではなく、


「その事業を進めていく人間の精神的な部分を補う為のもの」


であり、


「その事業をうまくいかせる為の促進剤である」


という事です。


その事業に資金を出す以上は、


「うまくいかなかった場合のリスクヘッジ」


などを第一に考えて、それを優先する対策を取るよりも、


「その事業の成功確率を上げる為の対策」

「その事業の失敗確率を下げる為の対策」



この2つを視点にした上で、

その「最善の形」を取るようにした方がいいと思います。


「融資」と「投資」の違いも含めて、

あなたが事業への資金提供を求められた際などは、

是非、この「融資」と「投資」の両建て形式を取るという方法も

その資金提供の方法の1つとして参考にして頂ければと思います。


尾島


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2016年2月16日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

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