東京ディズニーランドのブランディング戦略~最寄駅「舞浜駅」の話~

尾島です。


東京ディズニーランドには「舞浜駅」という最寄駅があります。


ほぼ東京ディズニーランドの為にあり、

東京ディズニーランドの為に作られたような駅なのですが。

この「舞浜駅」という駅名が付けられるまでには、

幾つかの候補が上がっていたそうです。


その中には


「東京ディズニーランド駅」


という駅名候補も挙がっていたそうですが、

この駅名は「意外なところからのダメ出し」で採用されず(出来ず)、

最終的にその駅名は今の「舞浜駅」になったそうです。


その「意外なところ」というのが米国のディズニー社

(正式名称:ウォルト・ディズニー・カンパニー)であり、

東京ディズニーランドの最寄駅を、


「東京ディズニーランド駅」


にする事は、米国のディズニー社が許さなかったわけです。


ただ、米国ディズニー社が

東京ディズニーランド駅という駅名を許さなかった事には


「ブランドイメージを守る」


というブランディング面でのそれなりの理由がありました。


「さすがはディズニー」と思えるその理由。


これが実はかなり「奥深いもの」なので、

今日はその話をさせて頂ければと思います。

ディズニーランドのブランド戦略~最寄駅「舞浜駅」の話~


当初「東京ディズニーランド駅」という駅名候補は、

東京ディズニーランドを経営、運営する、


「オリエンタルランド」


が発案して「千葉県」と「浦安市」に掛け合っていたと言います。


『え?東京ディズニーランドって、

 アメリカの「ディズニー」が運営、経営してるんじゃないの?』



と思われる人もいるかもしれませんが、

東京ディズニーランドは、アメリカのディズニー、


運営、経営しているわけではありません。


「オリエンタルランド」という日本の企業が、

ウォルト・ディズニー・カンパニーの方と


「ライセンス契約」


を結んでその「オリエンタルランド」が運営、経営しています。


東京ディズニーランドの建設費用等についても、

ウォルト・ディズニー・カンパニーは1円も出資していないらしく、

それらの費用も全て「オリエンタルランド」が出資しています。


要するに東京ディズニーランドに関して言えば、

ウォルト・ディズニー・カンパニーは、


「ライセンス料」


という名目で権利収入を得ているだけという事です。


まさに「ロイヤリティ」で莫大な収益を得ているわけですね。


こうしたロイヤリティビジネスはディズニーのお家芸でもあり、

米国企業はこれを活かしたビジネス展開が非常に上手いです。


まあ、この「ロイヤリティビジネス」に関しては、

今日のテーマとは少し話がズレるので置いておきますが、

東京ディズニーランドは当初オリエンタルランドが

米国ディズニーとライセンス契約を結んだ上で、

その建設地を千葉県浦安市に決定していました。


そして、その東京ディズニーランドの建設に併せて開通される、

その最寄駅の駅名を「東京ディズニーランド駅」にしようと、

「千葉県」と「浦安市」に掛け合い県も市もこれに合意。


そして、この「東京ディズニーランド駅」という駅名の案は、

JR東日本も了承するところまで話は進んだそうです。


が、ここでその駅名を許可しなかったのが、

他でもない米国ディズニー社です。


「東京ディズニーランド駅」を拒否した米国ディズニー社


普通に考えて、公共の駅名などに会社名や商品名が付く事は、

極めて大きな宣伝効果、広告効果があると考えられます。


地図にもその駅名が乗るわけですし、

駅の路線図にもその駅名が乗っていくわけですから、


「東京ディズニーランド」


という名称を広めていく宣伝効果は計り知れません。


既に誰もが知っているような企業、商品が、

膨大な広告費用を継続的に投じて

テレビCMや看板広告などを使い続けているところからも、


「その企業名、商品名を消費者に擦り込み続けておく事」


がいかに重要かは、既に多くのマーケティング事例で立証されています。


その日常で当たり前のようにその企業、その商品を意識させ、

認識させ続ける事が消費者への「擦り込み」になっていくわけです。


コカコーラしかり、マクドナルドしかり、

大成功している大手の企業が、

そういった「消費者への擦り込み」を意識した広告戦略に、

常に膨大な広告費用を投じている事は目に見えて明らかですよね。


それだけ継続的にその企業名を意識、認識させる広告戦略は、

マーケティング面においても非常に有効なわけです。


その観点で見ると「東京ディズニーランド駅」という駅を作り、

地図や路線図にその駅名を掲げておく事は、


「半永久的に都内全域の駅に広告を貼り続ける事が出来る」


というくらいの宣伝効果が最低レベルでも見込めるわけです。


その広告効果、宣伝効果は計り知れず、

費用対効果を金額で表したなら途方もない数字になると思います。


東京ディズニーランドの経営、運営を行う、

オリエンタルランドはそのような宣伝効果を見越した上で、


「東京ディズニーランド駅」


という駅名を提案し、市や県の許可も取っていきました。


当然、これはディズニー社にとっても

大きな宣伝効果を得られるものに他ならない為、

ウォルト・ディズニー・カンパニー社も

2つ返事で許可してくれると思っていたに違いありません。


ですが、米国ディズニー社は答えは「NO」でした。


駅名に「ディズニー」の名前を使う事を許さなかったわけです。


ディズニー社が「東京ディズニーランド駅」を拒否した理由


何故、米国ディズニー社は、

先程解説したような大きな宣伝効果があるにも関わらず

「ディズニー」の名前を駅名に使う事を許さなかったのか。


その理由は「ブランドイメージを守る為」という事でした。


仮にその駅名を東京ディズニーランド駅とした場合、

その周辺にフランチャイズ系の店舗が出来た場合などに



「○○ 東京ディズニーランド駅前店」
(吉野家 東京ディズニーランド駅前店)


というような名称の店舗を作る事が出来てしまい、

そのような店名を権利侵害で訴える事が出来なくなる。


そういった理由でした。


事実、ディズニーの名前を公的な駅名にしてしまうと、

その「駅名」については周辺の店舗が自由にその名称を利用し、


「東京ディズニーランド駅前店」


という名前を掲げてお店を出す事が出来てしまいます。


それこそパチンコ店などのディズニーのイメージを損なう店舗が

ディズニーの名前を掲げて営業する事が出来てしまうわけです。


米国ディズニー社はこれを懸念し、


「ディズニーの名前とイメージを徹底的に守る為」


に、駅名に「ディズニー」の名を使う事を許可しなかった・・・

という事です。


まあ、こうして大成功している

東京ディズニーランドの現状を踏まえて、

この結論だけを聞けば「なるほど!」というところですが、

これは経営者目線で見ると、


「自分が経営者なら、そのように考えられるか」

「この上無い宣伝効果を捨ててまで、そのイメージを守れるか」

「そんな決断を下す事が出来るか」



と考えさせられてしまうところがあります。


おそらく大半の経営者は、私が最初にお話しした


「半永久的に都内全域の駅に広告を貼り続ける事が出来る」


という多大な「宣伝効果」の方を取ってしまうのではないでしょうか。


そもそも、そのような話が実際に持ち上がった際に、

その駅名を使う形で名前を使われてしまい、

ブランドイメージを損なう可能性などを考慮出来るものか。


仮に出来たとして、それを


「半永久的に都内全域の駅に広告を貼り続ける事が出来る」


という多大な「宣伝効果」と比較する事が出来るか。


比較した上でブランドイメージを重視出来るか。


普通に考えて大半の経営者はまず出来ないと思います。


少なくとも「数字(儲ける事)」を1番に考えている経営者は、

ブランドイメージより、宣伝効果を取ってしまうでしょうね。


米国ディズニー社がここまでブランドイメージを徹底出来るのは、

そこには何を差し置いてでも守るべきものがあるという


「理念」


があり、そのような理念があるからこそ、

このようなブランドイメージを守る事を優先する考え方、

そしてその判断が出来るのだと思います。


そういう意味で、米国ディズニー社の「判断」は、

決して「長い目で見た数字」を考慮してのものではない気がします。


ただ、そんな「数字を度外視した理念を貫く事」が

他に追随を許さないオンリーワンを作り出し、

結果的にビジネスとしても大きな成功を導くのではないでしょうか。


それだけ何かのビジネスを展開していく際は、

何を差し置いてでも守るべき「理念」を掲げるべきであり、

それを何を差し置いてでも貫く事が重要なのだと思います。


以上、今日はディズニーの

徹底したブランド戦略について、でした。


あなたのビジネス展開における何かしらのヒントになれば幸いです。


尾島


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2016年1月26日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリー:ブランディング講座

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