食べログ?ぐるなび?マネーの虎、全く新しいインターネット事業編考察。

尾島です。

マネーの虎に学ぶビジネス学講座。

今日はこちらの

「全く新しいインターネット事業編」

を考察してみます。



マネーの虎、全く新しいインターネット事業編考察。


プレゼンターは40代「情報配信会社」の社長。


日本初の全く新しいインターネット事業の事業資金として、

希望した金額は5760万円でした。


マネーの虎における志願者の中でも数少ない、

インターネット関連の事業を希望した志願者の一人だと思います。


ちなみにマネーの虎が放送されていたのは、

2001年から2004年までの約3年間なので、

時期的に言えばPCやインターネットが

そこそこ注目されてきた・・・というくらいの時期です。


とは言え、大半の人にとっては、

まだまだ「未知の市場」というのが実際のところであり、

それこそ、この放送回にも出演している、


生活創庫、堀之内九一郎社長


などは、この「インターネット市場の拡大」を見通せず、

リサイクルショップ店舗を拡大し過ぎてしまったと言えます。


当時の堀之内九一郎社長のリサイクル店舗事業において、

ヤフーオークションなどの台頭は大きな打撃になったはずですので。


それこそ、堀之内九一郎社長がその辺りを見通せれば、

早い段階でインターネットによる事業展開させ、

店舗数を絞り込んでいくような事も出来たはずだからです。


それこそ、その「事業形態」によっては

この頃に「インターネットの可能性」をどう捉えたかで、

事業、経営の明暗が大きく分かれていったわけです。


そして、この放送回の志願者は、

その「インターネットの可能性」を前向きに捉え、


「日本初、全く新しいインターネット事業」


として、5760万円という資金を志願します。


ただ、その事業内容はかなり「考え」も「詰め」も甘いもので、

さほどインターネットに詳しくも無い社長達に

次々とその「甘さ」を指摘されてしまいます。


そんなこの志願者が提案したインターネット事業というのは、


「当時の検索エンジンの利便性の悪さを改善出来るサービス」


を提案するもので、今ある既存のサービスで言うところの


「ぐるなび」


に近いサービスを飲食店に限る事なく、

ありとあらゆる他業種を対象にそれぞれ展開し、

それをポータル化したサイトを運営するというものでした。


飲食店を探したければ「グルメ」のカテゴリをクリックし、

温泉を探したければ「宿泊施設」のカテゴリをクリックする。


そこから「地域」や「サービス」等の条件を絞り込んで、

ピンポイントで知りたいお店や施設を検索できるというような、

業種を絞らない「ぐるなび」のようなサイトをやりたかったわけです。


ツメが甘すぎた業種を絞らない「ぐるなび」事業。


ちなみに「ぐるなび」は2000年の発足なので、

この志願者が出演していた頃には存在していた事になります。


その当時、どれくらいの知名度があったかは分かりませんが、

まだまだ立ち上げ段階に近かったと予想されますので、

「ぐるなび」というサイトのそれなりの成功例を前提とするなら、

その目の付け所「だけ」は決して悪いものではありませんでした。


ですが、この志願者はそこからの「ツメ」が甘く、

この事業の詳細を「病院」を例に挙げてプレゼンしていくのですが


「その病院の良し悪しが分かるような情報を掲載する」


と、そのお店、施設における「評価」を掲載する事を主張します。


「お店の情報」にその指標となるような「評価」が掲載されているサイト。


そうなると、多くの人がイメージするのは、


「食べログ」


のようなサイトになってくると思います。


ですが「食べログ」は、あくまでも一般のユーザーが、

その個人的な意見や評価を投稿していくサイトである事に対し、

この志願者が提唱した「評価」のシステムは、


「ひとまずは私が自分で評価していく予定です。」


というものでした。


しかし、そのサイトの「収入源」はあくまでも

あくまでも店舗や施設側に「ページ」を用意し、

それを提供する事で得る広告収入にあるというのです。


ここで、当然、この志願者はこのように突っ込まれます。


「あなたのサイトに掲載するお店は顧客になるわけだから、

 その顧客となるお店に対して、悪い事は書けないですよね?」



まあ、当然のツッコミだと思います。


ちなみにですが「ぐるなび」の収益モデルは、

この志願者が提唱していた収益モデルとほぼ同じであり、

ぐるなびのサイト内に掲載するページを提供する事で、

その広告収入を店舗側から受け取る形で成り立っています。


ですが、そこに食べログにあるような「評価」のシステムはなく、

まして、その「サイト側」がそのお店を一方的に評価し、

その評価を掲載するような事は一切やっていません。


勿論、これは食べログも一緒で、

食べログの評価はあくまでもユーザーが投稿したもののみであり、

その収益モデルも「ぐるなび」とは少し質が違います。


無条件に店舗側から「掲載料」を徴収するのではなく、

あくまでも純粋な「広告枠」を設置し、

そこから収益を上げていくビジネスモデルを確立しているのです。


利用者数という視点における「グルメサイト」としては、

今は圧倒的に「食べログ」に軍配が上がってますが

この志願者が提唱していたサービスは、

この2つのサイトの特徴を「悪く」併せてしまっています。


まあ、その「評価」の基準が利用者の声ではなく


「サイト運営者の個人的な評価」


という時点で、あまりに情報が偏り過ぎですし、

そんなサイトの評価を誰が参考にするのかという感じですが

そんな「個人的な評価をしていく事」を前提としながら、


「お店や施設側から掲載料を取って儲ける」


という方針も、完全に「どっちつかず」です。


サイトの運営方針から、その収益モデルに至るまで、


「サイトに掲載するお店は顧客になるわけだから、

 その顧客となるお店に対して、悪い事は書けないですよね?」



というような突っ込みが実際に入った通り、

これは既に破綻しているに等しいビジネスモデルなわけです。


例えば「ぐるなび」は志願者の提唱する収益モデルと同様に

サイトの収益源は彼等(広告主達)からの「掲載料」で賄われますが

そうであるからこそ、そこには一切


「お店の評価」


のようなものは掲載していません。


全ての掲載店舗が「顧客」である以上、

悪い情報を掲載出来ないという「足枷」から、

方針的に「信憑性のある評価」をそこに掲載出来ない為です。


お店や施設側からの「掲載料」でサイトの運営を賄う以上、

サイトの運営はどうしてもその広告主が主体になってしまいます。


そして、そのような現状こそが「ぐるなび」が、

国内最大グルメサイトとしての地位を

食ベログに奪われてしまっている要因なのです。


現に「食べログ」の方は、

あくまでも利用者からの「生の声」を集める事で、

サイトに掲載されている情報の「量」や「信憑性」を高め、

それを求めてまた利用者が集まってくる方針を前提としています。


そのような運営方針によって、

サイトに集まる「信憑性の高い情報」を求め、

集まってくるような人達が増えていけば、

おのずとそこに広告を出したいお店や施設が出てくるものです。


つまり、第一に「利用者目線」を第一に優先し、

それを第一に考えていれば結果は後から付いてくるという方針を掲げ、

その方針を貫く事で「ぐるなび」を大きく引き離したわけです。


まあ、これはあくまでも現状の「結果」があっての結論ではありますが、

やはりウェブサイトの運営は利用者があってのウェブサイトであり、

そこに利用者が集まれば、広告主は自然とそこに集まってきます。


前提として広告主を主体とするサイトを運営するのではなく、

あくまでも利用者を主体とするサイトを運営していった上で、

広告主が向こうから頭を下げてくるような圧倒的なサイトを作る事。


これが広告を主体とするインターネット事業の理想の在り方であり、

それこそ検索エンジンの「グーグル」などは、

この方針を徹底して追求し、大成功を収めた企業と言えます。


そういう意味でもマネーの虎のこの志願者の掲げるサービスは、

どちらかと言えば広告主ありきの「ぐるなび」の運営方針に近いわりに、


「サイト運営者(自分)の個人的な評価を掲載する」


という、広告主からも利用者からもほぼ歓迎されない、

半端なサービスを掲げてしまっている、

明らかに中途半端なサービスになっていたと思います。


何ら特別な専門家でも何でもない、

そのサイト運営者個人の評価、感想など、

利用者はさほどアテにはしません。


ましてそれが「悪い事は書けない間柄」なのですから、

そんな評価をアテにするような人はほぼいないと思います。


そして広告主側としても、そんな利用者側から、

ほぼアテにされない評価などはあってもなくても変わりません。


結果、このサイトが多くの人に利用されるサイトになる事はなく、

そんなインターネット事業には当然、未来は無い・・・わけです。


まあ、この当時のマネーの虎の社長さん等が、

この時のプレゼンテーションで、このビジネスモデルを

どこまで理解して話を聞いていたかは定かではありませんが、

結果はやはり「ノーマネーでフィニッシュ」でした。


仮に5000万円を超える資金が出てたいとしても、

この運営方針のままでは、まず上手くいかなかっただろうと思います。


それこそ、この時期からの「グーグル」という検索エンジンの追い上げ、

サービスの向上の速度が著しいものがありましたからね。


生半可なポータルサイトを掲げても、まず大半は、


「こんなサイトを使うよりググった方が早い」


と一蹴されてしまうのが関の山だったのではないでしょうか。


そんな時期にそれなりに事業を軌道に乗せた「ぐるなび」は、

営業員による足を使ったリアルな営業努力で業績を上げたのです。


そういう意味で、あのサイトは「IT」で勝ち残ったのではなく、

その確固たる「営業力」で勝ち残ったサイトなので、

そういう背景が無ければ、まずこの手の路線のサイトでは

グーグルの利便性には、到底太刀打ち出来なかったと思います。


「そのサイトから調べるよりググった方が早い」


結局、この現実が全てなわけですから(笑)


以上、今回の「マネーの虎に学ぶビジネス学講座」は、


「全く新しいインターネット事業開業編」


の考察でした。


他の放送回における考察も行っていますので、興味があればどうぞ。

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2016年5月23日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:マネーの虎ビジネス学

 

 

 

 

 

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